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Chapter.5 嫌いにならないで*Act.7-02

「君のことだから、俺に電話するのも相当躊躇ったんじゃないかな、って思ってるし。俺は君にはいくらでも頼ってもらいたい。だからこれからも、時間とか気にしないでいつでも連絡してきていいから」 「――でも、平日の日中はさすがに厳しいでしょ……?」  私がやんわり指摘すると、高遠さんは、「あはは」と乾いた笑い声を上げた。 「まあ、仕事してるからね……。でも、すぐにでは無理でも、君からの着信なりメールが入っているのに気付いたら、折り返し返事なりするから」 「――すみません……」 「ほら、そうやってすぐに謝る。絢の悪い癖」  高遠さんがそこまで言ったタイミングで、目の前の信号が黄色から赤へと変わった。  ゆっくりとブレーキが踏まれ、車が停車する。  高遠さんは左手をハンドルから放し、代わりに私の手を高遠さんのそれでそっと握ってきた。 「君は悪いことは全然してないんだから謝る必要なんてない。むしろ謝るのはダメ。絢はちょっとわがままなぐらいがちょうどいいんだから。いつでも俺に甘えること。これは絶対だよ?」 「――いいんですか……?」 「絢にならいくらでも甘えられたいし頼られたいね。まあ、そう言いながら俺の方が絢に甘えちゃってるかもしれないけど」
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