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Chapter.2 もっと知りたい*Act.3-02

『――やっぱり、迷惑だったかな……?』  しばらく沈黙が続き、高遠さんが少し哀し気な口調で訊ねてくる。 『さっきの感じから、相当無理をさせてしまった感じだったしね。ほんとに、嫌だと思っているならはっきり言ってもらって構わないんだよ?』 「いえ、迷惑とかそんなのは全然思ってないです。思ってないです、けど……」 『けど?』 「――やっぱり、そんなに逢ってない男の人と話すのは……、緊張とかしちゃって……」 『ほんとにそれだけ?』 「ほんとです」  何てつまらないやり取りをさせてしまっているのだろう。  また、高遠さんに申しわけない気持ちでいっぱいになる。  あまりにも不甲斐ない自分が情けなくて泣きたくなってきたけれど、ここで泣いたら高遠さんをよけいに困らせてしまう。 『黒川さん?』  また押し黙ってしまった私を気にしてか、高遠さんが電話の向こうから呼びかけてくる。  無言でいるのは失礼だ。  そう思い、私は、「はい」と短くだけれど応える。 『今度、予定が空いてる日とかある?』 「――はい?」  突拍子もない問いに、今度は間の抜けた返答をしてしまった。  照れ隠しのつもりなのか、高遠さんはわざとらしくコホンと咳払いをし、『だからね』と続けた。 『電話より、直接逢った方が黒川さんも話しやすいかな、って。本音言うと、俺もプライベートでの電話はちょっと苦手で……』 「えっ、そうだったんですかっ? す、すみません……」  電話が苦手な人に電話をさせてしまうとは、かえって失礼なことをしてしまった。  咄嗟に謝るも、高遠さんはやはり、『気にしないで』と優しく返してくれる。 『君から誘ってもらえたのはほんとに嬉しかったから。――ただ、会話がまるっきり続かなくて悪いことをしてしまったけど……』 「それは……、私の方が悪いと……」 『いや、俺だよ。君は俺に無理に付き合ってくれてるんだから』  まだ、変な誤解をしているらしい。  無理に付き合っているつもりは全くなかったのだけど。
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