2 / 94

Chapter.1 告白は突然に*Act.1-02

「じゃあ、そっちの彼女は?」  ふたりと違い、蚊帳の外に追いやられていたのではないかと思っていた私は、急に振られてさすがに面食らった。  グラスに口を付けた状態で、そのまま止まってしまった。 「おっ、俺めっちゃ気になる!」  私の飲みっぷりに茶々を入れてきた男子Aが、急に私に向かって身を乗り出してきた。  目元がピクピクと痙攣する。  自分でも、相当険しい表情をしている自覚があった。  なのに、男子Aは全く動じない。  それどころか、「なあなあ、どうなんだよ?」となおもしつこく訊いてくる。 「――ずっと……」  仕方なく、ポツリと口を開いた。 「へ? 何だって?」  男子Aは怪訝そうに重ねて訊ねる。  また言うのが面倒臭い。  そう思っていた私に、「ずっといないのよ」と七緒が助け舟を出してくれた。  多分、私の表情を見て察してくれたのだろう。 「この子ね、全くそういうのがないのよ。機会がなかったわけじゃないと思うんだけど、その気がはなっからないというか……」 「マジかっ?」  男子Aがジロジロと私に視線を投げかけてくる。  そして、急にニヤリと口元を歪めた。 「へええ。っつうことは、君って処女?」  男子Aの発言に、場の空気が一瞬にして凍り付いた。  ――こいつ、馬鹿……?  全員がそう思っただろう。  そして、言われた当の私に至っては、我慢していたものが音を立ててプツリと切れた。  もう無理。  この場に一秒だっていたくない! 「ごめん私帰る」  務めて冷静に言い、けれども荒々しくコートとバッグを掴んでその場から離れた。  飲み代を前もって払っていたのが幸いだった。
いいね
ドキドキ
胸キュン
エロい
切ない
かわいい

ともだちとシェアしよう!