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* 5 * 劇薬という名の愛の処方箋

 薬剤師国家試験でよく出るのが「劇薬と毒薬の違い」についての問題だ。「薬」と記されているだけあって、どちらも医療用としてふつうに薬局で取り扱っているが、鍵のついた場所にしまわれるのが毒薬で、鍵のついていない場所でほかの医薬品と区別すれば保管できるのが劇薬である、ということはあまり知られていない。  そもそも毒薬と劇薬では薬の危険性が異なり、半数致死量と呼ばれる指標によって基準が定められている。毒薬の半数致死量と劇薬の半数致死量には十倍の差があるのだ。 「まぁ、半致死量の基準以外に毒薬認定されるもののなかには例外的に飲みすぎて致死量に至ったり、中毒性のあるものもあります。そう考えると劇薬ってかわいいものでしょう?」 「かわいい。ねぇ……」  毒薬ほど危険性はないけれど、毒薬に次いで激しい薬理作用を持つ劇薬。  過量に使用すると危険性が伴うが、使い方を間違えなければ素晴らしい薬効を持つ。 「琉先生、劇薬みたいです」 「俺が劇薬だって?」 「うん」  過剰に愛されると苦しいし、取り扱いに注意は必要だけど、厳重に鍵をかけて束縛するほどではない。  それが、三葉にとっての琉。  ――まるで劇薬のような、特別な男性(ひと)。    * * * 「ぁああっ……」  口淫によって一度果てたものの、琉の陰茎はふたたび勢いを取り戻し、手早くゴムをつけて三葉の膣内へと侵入していく。潤いっぱなしの蜜口は琉の亀頭がこすれるだけでくちゅん、と淫らな音を奏でる。  会話する余裕すら奪われ、性急に膣奥まで貫かれた三葉は、彼の首にきつく腕をまわし、甘い喘ぎ声を漏らす。  琉に腰をつかまれ、ガツンガツンと前後に揺さぶられながら三葉は快楽に溺れていく。致死量に至ることはない、けれどとても激しくて狂おしい彼の熱い楔に貫かれて、三葉は絶頂を素直に受け入れる。 「イ……イくうっ!」 「俺、も……」  ぜいぜい、と息を切らせながら白濁を吐き出し、ゴム越しに彼が発した熱が伝わる。  全身を弛緩させる三葉を抱きしめたまま、琉は呟く。 「精力剤って、すごいもんだな」 「へ」 「このまま何回でもいけそうだ」 「!」  ――そういえば琉先生にピコンピコン精泉液飲ませたんだった……あれ、巷では『今宵は寝かさないピコピコピンドリンク』同様、二回戦以降もエネルギッシュに動けるって評判があるんだよね。って、まだやる気!?  顔を真っ赤にして焦った表情の三葉を見て、琉はくすくす笑っている。  まるで、こうしたのはお前なんだからな、とでも言いたそうに。 「せんせ……明日も仕事っ」 「土曜日は俺、外来入ってないし」 「いえ、わたしが朝仕事なんですけど……あんっ」  仕事の話をしたら乳首に噛みつかれてしまった。  琉はこれ以上言うなとダメ押しのように三葉の野イチゴのような口唇を封じ、両手で乳房を揉みはじめる。ふたたびはじまる甘い官能の予感にカラダはいやおうなしに疼き、腰が震える。 「正直なカラダだな。そんなに欲しかったのか」 「ちがうってば……あんっ!」  今度は違う精力剤も試してみたいな、とニヤニヤしながら琉は既に愛液で濡れている三葉の蜜壺へ分身を挿入していく。口ではちがうと言いながらも、彼女は本気で抗っていない。 「もぅ……琉せんせ」 「愛してるよ」 「知ってます!」 「これからこのさきずっともっと、愛してる」 「恥ずかしいから言わないでくださいっ!」 「何度でも言うからな。これ以上、逃げられないように」 「もう逃げませんから……」 「ほんとうに?」 「ほんとうに!」 「よしわかった、何度でもそのカラダに刻んであげよう」 「ふぁ……っ! 急に動かないでくださ……っ!」  繰り返される愛撫と萎えることのない灼熱の楔に貫かれながら、今夜も三葉は劇薬のような彼に溺愛されて、ココロもカラダも奪われる――…… ―――fin.
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