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第6話

「せんせ……、っん」  桐生先生は私の顎を掬い、そのまま口づけた。労わるように、甘やかすように。ぬるりと舌が滑り込み、私のそれにそっと触れた。 「ん、んぅ……」  ぴちゃぴちゃと水音を出して、二人の舌がやわやわと絡みつく。桐生先生は首を少し傾けて、私たちのつながりを更に深くさせた。その優しく柔らかな感触にじれったくなった私は、桐生先生の首に腕を回して、ぎゅっと抱き着いた。桐生先生も、私の背中に手を回してそっと抱き寄せる。二人の距離はさらに近づいて、口内からはお互いが求めるように絡みつく音が聞こえてくる。  桐生先生の舌は、私の舌先をくすぐったかと思えば……歯列をゆっくりと、ねっとりとなぞる。くすぐったくって顔を背けようとしても、桐生先生の腕の力は強く、私は彼から離れることができない。 「ふあ、あ……んんぅ」 「……ん」  時折、お互いの呼吸が口づけの隙間から漏れる。その桐生先生の声が甘くて、私の胸がきゅんと疼く。 桐生先生の懇願と脅し、それにご褒美のようなこの甘い口づけ。 この口づけが私は大好きで、何度も彼の『作品作り』に協力してしまうのだ。 桐生先生は片手を私の胸に回して……熱くなった手のひらで、私の胸を掴んだ。その胸を揉みしだき、きゅっとその頂きを摘まんだ。 「やぁ……っ」  思わず唇を離すと、目の前にはいやらしく笑う桐生先生の顔があった。指先でその先っぽを引っ掻き、くりくりと弾く。私はそのまっすぐに私を見つめる桐生先生から目を反らして、体をよじった。 「あ……や、やだぁ」 「イヤ?」  恥ずかしさで顔が真っ赤になっていく。さっきまで乱れた姿を観察され、それをスケッチに取られていた上に、その手でまた快楽を与えられようとしている。私が大きくため息をつくと……桐生先生の手が離れた。 「イヤなら、仕方がないな」  桐生先生の手は、私のブラのホックを留め……そのまま着ていたコスチュームを整えていった。私があっけに取られていると、桐生先生はすくっと立ち上がった。 「涼香ちゃんのおかげでいいアイディアが思いついたよ~!」 「へ? あ、あの……」 「今から原稿に取り掛かってすぐ終わらせるから、少し休んで待っててよ!」 「き、桐生先生?」 「三山くん、涼香ちゃんに毛布あげて。体冷やしたら困るから」 「はい」  三山さんも三山さんで、桐生先生の指示通りに私に毛布を投げて渡す。そしてそのままいそいそと、それぞれの席に座って液タブに向かっていく。すっかりと蚊帳の外になった私に、少しずつ眠気が襲ってきた。  気づかないうちに、私は眠りについていた。 *** 「……原稿が進まない、なんてくだらない嘘をついて」  三山がポツリと呟くと、桐生は薄く笑みを浮かべた。スケッチブックを手に取り、それに描いた涼香の痴態を見て悦に入る。三山のその言葉の通り、原稿が進んでいないというのは真っ赤な嘘だった。本当は、数日前にすでに完成している。 「自分への好意を逆手にとって、こんなセクハラ紛いなこと繰り返して……訴えられたら先生終わりですよ」 「でも、良かったでしょ? また涼香ちゃんとエッチなことできて」 「……そうですけど」  涼香の胸に宿った、淡い桐生への想い。それに気づいた桐生はある企みを思いついた。同じように彼女に対して好意を抱く三山を利用して、作品のアイディアや構図作りのために……二人をモデルに使うことに。  初めは本当に作品のためだった。  しかし、ある日いたずら心に火がついて……ことあるごとに涼香を仕事場に招き、三山と関係を持たせる。涼香には、好きな男に見られながら違う男に抱かれることによってさらに乱れるという事に気づいてしまったからだ。  今日もそうだ、あられもなく口を開き、三山に抱かれて甘い喘ぎ声を漏らす。その姿に、桐生は得も言われぬ気持ちの高ぶりを感じていた。 「……先生も、とっとと自分の処理してきたらいかがですか?」 「ありがと、じゃあ行ってくるね」  桐生は席を立つ。そのジーンズの中のふくらみは、彼の興奮ぶりを伝えていた。
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