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3.クラスメイトの司くんが話しかけてきました。

「きょ、今日もすごいですね…」 って、密かにそんな決意表明をしているあたしに、空気読まずに話しかけてくる男の子が一人。 この子の名前は司くん。 何それ今どきどこで手にいれたの?ってつっこみたくなるよーなビン底メガネかけた猫背なオタクくんだ。 受験してないあたしに言う資格ないかもだけど、美形じゃないと入学できないこの学院の試験、あなたどうやってパスしたの?ってくらい外見野暮ったい。 まあでもそのせいか、なんか皆からイジメられてるっぽくて、長女なあたしはほっとけなくて毎日話すようになった子。 「司くんは騒がないの?あの四人に」 ライブに熱狂することなく、あたしに話しかけてくる司くんは、あたしにとっては貴重な存在。 だってここの生徒達は全員、一日一回はあの生徒会役員四人組のことを話題に出すし、心底あの四人に心酔しているみたいだから。 正直、入学して一カ月程度で、直接会話したこともないような人達を盲目的に崇拝することなんてできない、ってあたしは思う。 それは司くんも同じだと考えてるんだけど、どうかな? 「ぼ、僕は別に…あの、あの」 あら、顔赤くしてもじもじしちゃってる。 同志意識働かせて、ちょっと長くみつめすぎちゃったかな? 「興味ない?」 会話を続けるのが難しそうな司くんに助け舟をだせば、こくり、ってうなずいてくれる。 うん。女子との会話が苦手なんだね。 これ以上話を続けるのは難しいかなっていうあたしの予想に反して、司くんは意外にも、意を決した様子でさらに口を開く。 「あ、あの、今日の放課後…」 「うん!?」 え、何? 放課後って今司くん言った? え。今まで司くんと一緒に放課後なんて過ごしたことなかったよ!? きょ、今日はいきなりどうしたの? ってなんか司くんと見つめ合っちゃってるあたしですけど。 もしかしてこれって、ちょっといい雰囲気だったり? いやいやいや、ちょっと待って。 確かになんか日直当番の押し付けとか掃除の時のゴミ出しとか荷物持ちとか購買の買い出しとかいろいろ皆に使われてた君がかわいそうで手伝ってあげること多いけどね。 けど別に異性として意識していたとか、そういうことではないんだよ。 そういうことではないはず、だよね? なんだかあたし、ちょっと胸がドキドキしてきちゃってるような? いや気のせいだよね。 っていうか司くん、いいかげん放課後なんの用事あるのか教えてください!! 「べ、勉強手伝って貰えませんか…」 そっちかーーいw いや変な期待?したあたしがバカだったわぁ。 ていうかなんでソレ今言うの。こんな周りウルサい中で言う必要なくない? 教室戻ってからでいいでしょ。どうせ席隣なんだから。 「うん、いいよ」 でもそれを思いついた今言っちゃうとこが不器用な君のかわいいとこでもあるんだよね。 弟がもう一人増えたみたいな感じでつい笑ってしまう。 うーーん。こういう男子も悪くない? って何考えてるんだあたしー。 さっき男はいらないって決意表明したばっかじゃないかー。
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