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7.どこまでも甘くておいしい話でした(完結)

 翌朝体がうまく動かないので、行儀が悪いとは思ったがベッドで朝食をとりながら説明を求めた。 「スワローに聞いているだろうが、宮廷魔導師は王と国を守るため城内にいる必要がある。城に勤める者と結婚するならばいいが、外の者と一緒になる場合女性は辞めることを余儀なくされる」  だからなかなか結婚できないと例の女性も言っていた気がする。 「ここからは理都のことだ。君の魔力量は多く、魔法センスも抜群。国としては君に一生勤めてほしい」 「え」  初耳だった。魔法については独創的だと言われた記憶があったがそんな評価をされていたなんて。 「もし君が想いを寄せている相手が城内にいるならその者とくっつけてしまえ、というのが国の判断だった」 「あ、そういうことだったんですね」  じゃあもしかしなくても魔導師長は仕方なく私と結婚したのだろうか。少しだけしょぼんとする。 「そしてここからは私の話だ」  そう言いながら彼は私を抱き寄せた。ご、ごはん……。 「……私が、君に一目ぼれしたと言ったら信じるかい?」 「……え」  あの日、というと、私が召喚された日のことだろうか。 「あらゆる場所から魔力の波動を探っていた私はあの日、君を見つけた」 「じゃあ……やっぱりルシーが私を助けてくれたの?」 「結果的にはそうなるかな」  胸が熱くなる。命を助けてくれたのが私好みの美青年で、しかもその相手に求められて結婚できたなんて。 「……ルシー、私も……あの日貴方に一目ぼれしたの……」  恥ずかしくて語尾が消え入りそうになる。頬が熱くなった。彼は私の髪、こめかみ、鼻に口付けの雨を降らせると、 「ならば、もっと早く君を妻に迎えるのだった……」  甘く口元で囁き、食べ物を手早く移動させた。  そして私を再び押し倒すと、シーツの海にたっぷりと溺れさせた。  休暇は1週間もあったのだからどこかへ出かけたんじゃないかって?  魔導師長ールシフェルは「理都、君が愛しくてたまらない」と言いながら文字通り私を抱きつぶしてくれた。惚れ薬はないが、体力増強の薬などはあるので最後の方は薬に頼って抱かれ続けた形である。1週間ほとんど抱かれていたせいか中でも感じるようになってしまい、余計に彼が離してくれなかったというのもある。  そんなへろへろな状態で国民にお披露目され、私はもうどうしたらいいのかわからなかった。どうも宮廷魔導師というのは王の次に人気がある立場らしい。美貌の宮廷魔導師長と異世界から来た魔導師の婚姻は国民たちに歓迎された。 「魔法使いマニアはお国柄なんですか?」 「わが国は沿海側の地域を除けば三方を他の国々と隣接しているからね。国防の手はいくらあっても足りない」 「ああ、確かに……」  自分の国は確か島国だった気がする。だから陸続きの隣国というのがイマイチイメージできなかったが、すぐ隣に敵がいると考えたら国防が重要課題だということはわかった。 「みんな仲良くできたらいいですね」 「我々はそのための抑止力になるさ」  そして今まで無口だと思っていたが、あまりしゃべると私を口説きたくなってしまうので抑えていたのだとか。もう、なんて魔導師長はかわいいのだ! いくらでも口説いてくれてよかったのに。 「理都、今日も君を一日中抱いていたい……」 「ルシー、仕事仕事!」  一つ困ることがあるとすれば毎朝起きようとすると抱き込まれて、ベッドに再びダイブさせられそうになることである。休みの日ならいいんだけど。  そんなかんじで、私は命の恩人と異世界で幸せに暮らしています。  貴方もよかったら、異世界で宮廷魔導師になりませんか? Love Love End!! オマケ(という名の補足。愛が重い)  魔力を過分に持つ者たちを異世界から召喚するにはいくつかの条件がある。  他の世界との壁が薄くなっている場所の近くにいた場合。  当事者がその世界に絶望している場合。  そしてその世界から弾かれそうになっている場合。  ルシフェルが理都を見つけのは、あと数日で理都がその世界から弾かれるという時だった。  それならば自分の世界に迎え入れよう。自分が見つけたのだから理都は自分のものだと彼は考えた。  しかし召喚ができたとしても理都が不安定な存在であることに変わりはない。  いつ何時(なんどき)他の世界から同じように連れ去られてしまうかもわからない。  安定してこの世界に留めるには理都がこの世界の者と交わる必要があった。(同じ世界の者同士であれば移動に制限はないが、異なる世界から来た者はこの世界の者と交わると元の世界に戻ることはできなくなる) 「理都、幸せにするよ」  思ったより時間がかかってしまったが、理都は彼の物だから彼の妻になるのは召喚の瞬間から定められていた。  けれどそのことを理都が知る必要はない。一生甘く愛し続けると、ルシフェルは愛しい妻を抱きしめた。 おしまい。
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