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3.この国の成人は18歳なんですって

 私が宮廷魔導師になった時、すでに18歳になっていた。  宮廷魔導師長と、かつて召喚されてきたという女性(こちらも宮廷魔導師)にも着任の挨拶をしたら、女性には苦笑された。 「理都が宮廷魔導師になってくれたのは嬉しいけど、結婚は考えなかったの?」 「え?」  まだ18歳だけど、と戸惑った。そうして気づいた。この国では、もう18歳なのだと。 「……ええと、スワローさんは……」 「貴女が宮廷魔導師になってくれたから結婚するわ」 「……え。あ、おめでとうございます!」 「ありがとう」  さらりと重大なことを言われて、一瞬反応が遅れたが彼女は気にならなかったようだった。 「このまま女の子が入ってこなかったら当分結婚できなかっただろうから、貴女にはすごく感謝しているの」 「え、ええとそれは……」 「結婚相手が同じ宮廷魔導師とか、少なくともこの城に仕えてる人ならいいんだけど、外の人と結婚するには退職しなきゃいけないの。でも宮廷魔導師には召喚の関係上女性が必ずいないといけないから困ってたのよね」  あっけらかんと言われ、私はなんともいえない顔をすることしかできなかった。 「だから貴女は同じ宮廷魔導師か、城内の人と一緒になった方がいいわよ。たぶんそう簡単にやめさせてはもらえないから」 「一緒にって……」  頬が熱くなるのを感じた。彼女は一瞬意外そうな表情をしたが、すぐに人の悪そうな笑みを浮かべた。 「理都、もしかして好きな人が……」 「わーっわーっわーっ! やめてください!」  更に頬が熱くなるのを感じ、私は顔の前で手を振った。が、逃がしてもらえるわけもなく宮廷魔導師長が好きだということを白状させられてしまった。 「魔導師長ねぇ……」  彼女は考えるように視線を上に向けた。 「確証はないけど、貴女のがんばり次第じゃないかしら。魔法が使える人材は引く手あまただし」 「もし、もっといろいろな魔法が使えるようになれば望みがあるかもしれないって……」 「魔法使いがほしいのは王だけの意思ではないから……」  私は頷いた。国はより優秀な魔導師を城に囲い込んでおきたいのだろう。もし私がもっといろいろな魔法を使えるようになれば、魔導師長をあてがってくれる可能性も0ではない。 「……がんばります」  この国に必要とされる魔導師になろう。  魔導師長が31歳独身だということも聞き取り済みだ。  望みがあると知れば、もう魔導師長を手に入れることしか考えられなかった。
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