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4-13:焦り焦られ前途多難

「あのな。俺はお前が変な奴に持ち帰られそうになってるから、今日は付き合ってやってるだけで……」 「こーき」  名前呼んでいいよって言ってた、と思う。あれはいつのことだっけ。  ……ほんとはたぶん、ずっと呼んでみたかった。  どんな顔をして返事をするのか見てみたかったから――。 「……っ、ああ。くそ」  菅原が自分の髪をくしゃくしゃにかき回す。  そんなところが見られるなんてちょっとおもしろい。得をした気分にすらなる。 「酔ってバカになったお前を抱きたいわけじゃねぇんだよ……」 「……んむ」  抱きたいわけじゃないってたしかに聞こえたのに、キスされてしまう。  菅原の考えてることって、私と同じくらいわからない。 「……っふあ……んっ……」  舌が絡まってくちゅりと音を立てる。お酒の味はあんまりしない。  もしかしたら菅原はあんまり飲まなかったのかもしれないね。以前、こんな風になったとき、酔っ払って寝ちゃったから。 「キス……すき」 「……っ」 「……もっと。――ん」  押さえつけられるのも、息苦しいのもあんまり好きじゃない。  でも、それで菅原が気持ちいいキスをしてくれるならそれでいい。 「もっといっぱい、して」  菅原が小さく息を呑んだのがわかった。その手が私の身体に伸びて、ゆっくり服を脱がせていく。  持ち帰ってくれたのが菅原でよかったんだと思い知った。これが別の、さっきいた田浦さんや中岡さんだったらすごく嫌だった。  酔っていても逃げ出してしまったかもしれない。  そうならずにいるのは、この手は優しくて甘いことを知っているからで。 「やさしく、して、ね」  それだけ言って意識が遠くなる。  お酒の力ってすごい。言いたいことをちゃんと言えた。  思ってないって言い聞かせ続けてた、自分の気持ちを――。
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