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第2話 夏の日

――あれ、もしかして、二人は付きあってんの?  優哉と初めて会った日に、彼にそう言われたことをよく覚えている。  梅雨が終わって、日射しが強くなった午前中。大学のロビーでの出来事だった。  大和と優哉は学部は違うが、以前同じバイトをしたことがあり、それ以来の付き合いだという。  真麻と優哉は、同じ学部だったが面識はなく、大和の紹介で知り合った。 「いや、付き合ってはいないけど」  大和がそう答えた時、真麻の心が少し騒いだ。大和とは確かにその時点では付き合っていなかった。だけど、その否定の言葉に、真麻は揺れる。  その時初めて、真麻は、大和のことを意識していると自覚した。  真麻のその気持ちを大和はいとも簡単に見抜き、二人は程なくして付き合い始めた。  真麻の思っていた付き合いは「カレシカノジョとしての関係」だったが、大和は違っていたようだ。大和の沢山いるガールフレンドの一人、しかもセックスフレンドだった。  それが判ったのは、大和と最初に寝た後だった。  他の女の子ともそういう関係があると知った真麻は、大和のアパートまで真相を聞きにいった。  真麻は、その時点では大和を好きだったし、二人きりの時は優しい彼がそんな人間だと思わなかった。  涙を浮かべながら、問い詰めた真麻に大和はこともなげに言ったのだ。 「俺、一人の子に縛られたくないんだけど。他の子は、他の女の子がいてもいいって言ってくれてるけど、真麻はいやなの?」  いやに決まっている。  でも大和と離れたくない。真麻は泣きながら、そう訴えた。 「俺も真麻のこと好きだよ。一緒にいようよ。真麻も、俺と寝るのいやじゃないよね?」  大和のいう付き合いはセックスそのもの、ということだった。ごくごく普通の恋愛の感覚を持っていた真麻にとっては、そのことは信じられなかった。でも、その時は大和への恋心で目が曇っていて、真麻は、その要求に答えてしまった。  大和とのセックスだけの関係は、2ヶ月ほど続いたあと、真麻に限界が来て、壊れてしまった。  ちょうど、夏が終わる頃、でも残暑厳しく暑い日が続いていた頃。 「おーいたいた!」    コンビニにはいってきた長身は、優哉だった。  教科書などをいれているいつものリュックを肩にかけている。 「サボってきたでしょ」 「それは真麻もじゃん」 「そうだけど」 「あー肉まん、美味そう」 「私はあんまんのほうが好き」 「じゃ、おごるわ。丁度バイト代はいってさ」  断ろうとする前に、優哉はすでにレジの店員に声をかけていた。  どうしようと思ったけど、別の機会にジュースでもお返しすればいいだろう。  真麻は、優哉にあんまんを一つ、ご馳走してもらうことにした。    
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