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ムーン作家向け言葉責めメーカー辛口ALT(https://shindanmaker.com/849795)で 16RT「変態なの?君。痛いぐらいに愛してやるよ。」 15RT「おかしくなっても知らないから。永遠に離さないから、覚悟して。」 18RT「無駄だよ。狂うほど善がらせてやる。」 というものが出たので、当初は「真性サディストがヤンデレを経由して奉仕型サディストになるパターン」を想像したのですが、急にこんなのが浮かんできたのでさらっと纏めました。 「香夜(かや)女王さま。私めを可愛がってください」  そう言って、首輪を付けた下僕は正座したまま頭を下げた。  それと同時に、束ねてある縄を恭しく差し出してきた。  差し出された縄の色は赤だった。  ということは、今夜はろうそくを使ってほしいらしい。  私は腰かけていた一人掛けの椅子から立ち上がり、強めの口調で言い放った。 「変態なの? 君」  あざ笑ってみせると、下僕はビクッと体を震わせた。  縄を差し出した手が小刻みに震えている。  ふだん、人に傅(かしず)かれている人間ほど、全てを投げ出したいと思うものらしい。  その為に秘めた欲望と向かい合い、自分自身をリセットしようとして彼はここにいる。  その姿は愛らしくもあり、いじらしい。だって、自分自身の欲望と正面から向き合うことは、簡単なことではないからだ。欲望の嗜好が特殊であればあるほど、勇気が必要だ。それができた彼をうんと可愛がってあげたい。と彼への愛情が、体の内側からふつふつと湧き上がってくる。それとともに気分が高揚し始めた。 「痛いぐらいに愛してやるわ……」  腰をかがめて、形のいい耳に唇を寄せて、囁くように告げる。すると彼の耳がほんのりと赤くなった。持っていた乗馬用の鞭の先端で広い背中をなぞると、くすぐったいのか下僕が体を揺らす。すかさず叩くと、打撃音が部屋に響いた。 「う……っ」 「誰が動いていいと言ったのかしら。それに躾けてあげているときは、声を漏らしちゃダメって言っているでしょう?」  優しく諭すように問いかけると、彼は赤い縄を差し出したまま再び頭を下げた。乗馬鞭の代わりにその縄を持って解きながら、私は彼の周囲をゆっくりと歩き始める。  わざとヒール音をさせながら歩くと、麻縄同士が擦れる音とコツコツと床を叩く音が部屋に響いた。解いた縄をわざと垂らしてやると、下僕が再び声を漏らしながら体を捩らせる。 「これが気持ちいいの? 変態ね、あなた」  固く結んである縄尻ですっかり上気している背中をなぞってあげると、その動きに合わせて艶めいた声がした。よく見れば、広い背中に汗がうっすら滲んでいる。彼の背後に回り込み、ゆっくりとその場に腰を下ろした。 「じゃあ、お望み通り可愛がってあげる。おかしくなっても知らないから。永遠に離さないから、覚悟して」  そう言うと、下僕は何も言わずにそれを受け入れた。しかし、数年後その関係は幕を下ろす。 「無駄だよ。狂うほど善がらせてやる」  それまで従順だった下僕が、牙を剥いたときの衝撃は今でも忘れることができない。  そのとき味わった、得も言われぬほどの快感と陶酔も。  それ以来、加虐と被虐は表裏一体、振り子のようなものだと思うようになった。だから悩みと苦しみは尽きないのだ。私は女王として君臨し続けることしか求められていないから。  何も考えずに誰かに甘えたい。そして何も考えずに被虐の快感に酔いしれたい。下僕たちの姿を見るたび、羨ましさを感じていたし、心の奥底に眠っていた何かがもぞもぞと動き出していた。多分それがマゾヒスティックな私。サディスティックな私とは違うもう一人の私。  彼にもう一度会いたい。そしてまたあの快感に酔いしれたい。  そんなことを思いながら、私は今夜も女王としてステージに立っている。
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