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繋がるこころ

「ただいま。」 空港から真っ直ぐ会いに来てくれたのだろう桐島は、大きなスーツケースと腕には幾つかの紙袋を持っている。 一か月ぶりに見る桐島は少しやつれていて、クリスマスを共に過ごす為に無理をしてくれたんだと感じた。 優しく頬えむ彼の姿は、どことなく儚げに朱音の瞳に映り、胸が締め付けられた。 「おかえりなさい。桐島さん。」 「はい、これ。クリスマスケーキとシャンパン。  台湾土産は茶葉にしてみたんだ。結構人気みたいだよ。」 「わぁ!ありがとう。冷蔵庫に入れてくるね。  桐島さんも、早く上がって。」 「うん。でもその前に、少し抱きしめさせて。」 桐島の腕が朱音に向かって開く。 想いが繋がって一か月経つが、恋人として会うのは今夜が初めてだ。 少し、躊躇ってしまう。 「お願い。ぎゅっとさせて。」 朱音は玄関脇のテーブルに、たった今受け取った土産を置き、照れながらも桐島の胸に頬を落とす。 おずおずと桐島の背中に腕をまわすと、桐島は朱音を力強く抱きしめ上げる。 朱音の身体は数センチ浮き、足先からスリッパが落ちて音を立てた。 「ねぇ朱音ちゃん、キスしたいから顔を上げて?」 「…下ろしてくれたら。」 桐島は小さく笑って、朱音を抱えあげた。 そのまま器用に靴を脱いで数歩進み、リビングのドアを開け、ソファに腰を落とす。 朱音は桐島の膝の上にお姫様抱っこの体勢のまま下ろさた。 桐島は朱音の腰を片手で支え、もう片方の手で頬に手を添えてキスをする。 「んっ…」 不意に朱音の甘い声が漏れる。 「…そんな声出されたら、止まられなくなってしまうよ。」 「…止めなくていいよ。」 朱音は頬を赤らめ、潤んだ瞳で桐島を見つめる。 数分前に彼の胸の中に入ることを躊躇った癖に、触れられることを求めてしまう。 「ダメだよ。僕は朱音ちゃんを大切にしたいんだ。」 眉を下げ、困った顔をして言う桐島の首に朱音は手をまわし唇を奪う。 桐島は少し戸惑いつつも朱音の口づけに応え、気付けば2人は夢中でお互いを求め会った。 「…ねぇ、ベットで甘やかして。」 「心を許してくれた朱音ちゃんは、素直過ぎて怖いよ。」 「ダメなの?  桐島さん、私のことをうんと甘やかして可愛がってくれるって、言った。」 「…ダメじゃないけど、身体よりも、まずは心を繋げたいな。」 「桐島さんに沢山想いを伝えてもらって、私も好きだと思って、会えない間も電話をして。  この一か月で、桐島さんを好きな気持ちが大きくなったよ。  十分、心が繋がってるって思っていたのは私だけなの?」 「僕だって気持ちは募るばかりだし、想い合えて本当に幸せに思うよ。  ただ、物理的につながる事を急ぐつもりはなかったし、僕の肉欲よりも、朱音ちゃんを大切にしたかったから…。  でも、朱音ちゃんに求められちゃったら、別。  寝室に連れてっていい?」 「うん。…連れてって。」 
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