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第6話
「犬も欲しいな。大型犬」
「正義、少し離れて」
「なんで? 耳が弱いから?」
「ちがっ……!」
(なんか変なスイッチ入ってるっ!)
「じゃあ、なんで? 俺の真面目な話を聞きたくない?」
「そうじゃなくて、あの……。普通に前に座って?」
お願いするよに振り向くと、かぷりと耳を甘噛みされてしまう。
ぞくっとするような感覚にいきなり襲われて、さくらは小さく悲鳴をあげた。
「もっと気持ちよくしてやる」
「カレー。カレーを食べなきゃ……」
「温め直せるだろ?」
(ああ! なんでこうなるのっ)
「ひっ……あっ……」
ぬちゅっという音が耳朶に響き、丁寧に舐め回され始めるとさくらは逃げるように腰を引いた。
ダイニングテーブルが邪魔で逃げ切れず、その隙に正義がさくらを抱え上げてしまう。
お姫様抱っこをされたまま、ソファに降ろされるとそのままキスが始まる。
(昨日だってしたのにっ)
口腔を舐る舌先は強引に割入り、歯列をなぞる。
そして舌先を絡め取られてしまうと、さくらも吐息を漏らしてしまう。
(正義……)
うっとりとした眼差しで見つめてしまうと、舌を絡ませてしまい互いに蕩けるようなキスが始まる。
理性が吹き飛ぶとうに、唾液が混じるような熱っぽいキスに変わるとさくらは正義の首に腕を回した。
「正義ぃ……んっ」
「素直に強請ってみろよ」
「そんなの無理っ……ふぁ……」
テレビの向こうは笑顔満点で、親からも子供からも好かれる好青年。
でも、さくらの前では全然違う。
テレビを見ていただけに、さくらもその言葉ひとつに鋭敏に反応してしまう。
キスだけでも蕩けるような感覚になり、さくらは物欲しげに見つめるしか出来ないが、正義がその続きをしてくれることはない。
次第に下肢まで疼き始め、さくらは腰をくねらせた。
「誘うのか?」
「ち、ちがっ」
「誘ってるだろ? 蜜で溢れさせてる所を見せてみろよ」
スカートが捲られ下着を剥ぎ取られてしまうと、蜜がとろっと溢れて下肢を伝う。
秘丘から亀裂へ指が這い、蜜粒をみつけられてしまうと丁寧に転がされた。
「やっ……ぁ」
「いや、じゃないだろ?」
さくらは首を振ると、蜜壺に指がいきなり二本挿入される。
「すぐに入った」
「動かさないで……ひぅ……あぁ……」
すぐに搔き混ぜられると、腰が揺らめきちゅぷちゅぷとはしたない水音が奏でられる。
「ここ、さくらの一番感じやすいところ」
「やっ! やっあぁ!」
膣内で指が曲がり、内壁を擦る。
さくらは背を仰け反らせて嬌声を上げ、その声は部屋中に響いた。
(この声、本当にお隣に聞こえてない?)
あまりの快感に、さくらは声を抑えることも出来ずにいるのだが、心の中では不安でいっぱいだ。
もしもラブホテルやホテルなら、そんな心配はいらないだろう。
でも、あの清廉潔白な歌のお兄さんが、ホテルに出入りしているなど知れてはいけないし、ましてや新妻を連れて夜な夜な通うなどあり得ないことだ。
(我慢しなきゃ)
下唇を噛み、必死に堪えるもののすぐに新しい快感に襲われるとまた淫靡な声を漏らしてしまう。
そのうちに、ぞくぞくと快楽の頂きを昇り始めてしまい、さくらは果ててしまった。
「声、我慢するなよ」
「だって。聞こえてたら。毎日のようにだし」
「いいだろ?」
「……」
さくらの戸惑いとは裏腹に、正義は男根を挿入する。
(あれ?)
避妊したかどうかという思いがふっとよぎり、抽送を始めようとする正義に問いかける。
熱は腹の中に満たされ、いつもとは違う熱さを感じる。
「正義。付けた?」
「いや。子供欲しいから」
「ま、待って! 私はまだっ」
「俺は、今すぐにでも」
「本当に、待って!」
ピアノ教室でやり残したことがあるわけでも、正義との生活をもっとふたりきりで過ごしたいわけでもない。子供は確かに欲しい。
ただ、これだけお母さんから指示されている正義が、実は子持ちだったなんてバレでもしたら、その怒りの矛先は確実に自分に向かうだろう。
もっと、ゆっくり、時間をかけてでもと思ってしまうのだ。
「今日は、本当に待って……あっ、正義っ」
抽送を開始してしまった正義は、いつになく激しく、最奥まで到達するとズンズンと突いた。
体がどうにかなりそうだとさくらは喘いだが、正義は熱に浮かされたように更に強く抜き差しをする。
「まさ……よし?」
「他のこと、考えるな。俺だけを見ろよ」
「そう……だけど。あっ……あぁっ!」
堪え切れず、膣はきゅっとしまり熱を咥え込む。
そのまま絞め上げると、正義も切ない吐息を漏らした。
「嫌なら……仕方ないよな……さく、ら?」
体を揺すられながら、正義の最終確認のような言葉を朦朧と聞いた。
(嫌とか良いとか、そんな単純な話じゃないのに)
さくらは言いたい事が言えず、ただ、「まだダメ」と正義に言うしかなかった。
正義の熱が更に膨張し、さくらの腹の中で爆ぜようとする。
その熱だけで浮かされて、さくらは正義に抱きついて淫靡に喘ぐしか出来なくなる。
正義の息が激しくなり、突然男根が引き抜かれると、さくらの腹の上で白い白濁が飛散した。
「あっ……」
さくらは、頂きに昇り始めた寸前に引き抜かれ、下肢が熱を帯びたままだ。
「ごめん、さくら。シャワー浴びよう」
下肢からは蜜が溢れて止まらず、今まだ正義を求めてやまない。
(私、何やってるの)
なぜか途端に正義の熱が欲しくなり、さくらは抱きついた。
「どうかした?」
「一緒にお風呂入ろう?」
「あ? ああ」
(ごめんなさい、正義)
さくらは正義にお姫様抱っこされながら、ふたりでバスルームに向かった。
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