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第11話

 今、この瞬間、自分がしていることはきっと背徳行為に近いのだろう。  世間を裏切り、子供やママの願望を裏切ることをしている。  でも、何よりも、さくらは正義の気持ちに応えたかった。  そして、さくらも自分が好きなことを正義に伝えたい。  そうしないと、何の為に結婚したのかも分からない。  正義がスカートを捲りあげると、ゆっくりと指を蜜壺に入れる。  ぬちゅっという水音と共に、抽送が始まるさくらは息を荒げて正義の名前を呼んだ。 「そんな大きな声出すなよ。外に聞こえるだろ?」  そうたしなめる正義だが、どこか嬉しそうで、目を細めている。 「俺だって寂しかったんだ。別に、仕事が全てじゃない」 「そんな……こと……今……言わないで……ズルい……」 「可愛いところ見せられたら、言いたくなるだろ?」  ぬちゅっぬちゅっという音は大きくなり、内壁を擦られてさくらは腰を引いた。   しかし、正義はぎゅっとさくらの手を握ると、さくらは快楽の坩堝に飲まれそうになる不安から抜け出して、その身をゆだねたくなる。 「正義ぃ……もう……ちょう……だい?」 「今日はおねだりまでするんだな」  キスと共に体が重なると、足は自然に開脚してしまう。  自分のはしたない恰好も気にせずにキスを受け入れると、正義はジーンズや下着を脱ぎ捨て、怒張した男根をあてがった。  そしてさくらの手をまたぎゅっと握る。 (今日の正義、凄く優しい)  離れていたせいかもしれないし、疲れたせいもあるかもしれない。  本当の気持ちはさくらも分からないが、何より、愛されていると実感出来て嬉しかった。 男根が入ると、一気に隘路が広がる。 「あっ……んっ……あぁ!」   「もっと奥までいいだろ?」 「……ん」  恥ずかしさを押し殺して、さくらは頷いた。  最奥を目指して穿たれると、怒張したそれは隘路をみっちりと塞ぐ。 「まだまだ、きついな」  切なそうに言う正義は、さくらの方を熱っぽく見つめてくる。  その視線に耐えきれずに逸らすと、ゆっくりと抜き差しが始まる。  ずん……ずん……とゆっくりとした運動に、さくらはそっと正義を見つめた。  視線が絡むと、今度は逸らすことなく微笑んだ。 「可愛いな、さくら」 「私は……可愛くなんて……」 「久しぶり過ぎて、もう俺……。さくら……俺さ……子供が欲しいんだけど……」 「え?」  せわしなくなってきた抜き差しと、苦し気に言う正義の言いたいことが、さくらの心を乱れさせた。 (もしかして……) 「今日……中にいいだろ?」 「あ……でも……」 「駄目なら……今日は……」  急な選択に、さくらは困惑した。  子供が欲しいとは言われていた。  が、こんないきなり子供が欲しいと言われて、嫌だと言えるだろうか。  なにより、正義の仕事を思うと、そんなことをして平気なのだろうかとも思える。
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