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第6話

「昨日からしたかったから、そのぶんも……いい?」  低く囁いた周くんの声が掠れる。  ……スイッチ、入った。  私は黙って頷く。  睫毛、頬、唇の横。キスしてほしいところはもっとほかにもあるのにと、だんだん焦れったくなってくる。脚を擦り合わせていると周くんが笑った。 「……琴乃さんのえっち」 「………っ、だ、って」 「ん。わかってる」    ようやく唇に軽く触れた。周くんの薄い唇が私の唇をはむ、と軽くはさむ。  あけて、というように唇のまわりを舐められ、招くように唇を開いた。中に熱い舌が入ってきて、そこに自分の舌を絡めていく。 「……ん………」    周くんの息が漏れた。  私はこれが大好きだから、もっとたくさん聞きたい。  息をするために離れようとする舌も唇も追いかけていると、胸先をカリッと爪でひっかかれた。 「っ……?」    ようやく唇を離して、「痛いよ」と抗議する。  周くんは何も言わない。涼しい顔して、私の上唇を舐めた。  そして今度は爪でひっかいたそこに唇を近づけて、チュ、と口付ける。そのまま咥内に含んで舌で転がしたと思ったら、微かな力をこめて噛んできた。 「……っ!?あ、待っ……痛……っ」    痛みと快感が混じった感覚にどうしていいかわからない。  咄嗟に周くんの頭を掴んで胸から離そうとしても、やめてくれない。  それどころかさっきより強く噛んで、しかも笑ってる。 「あ、まねく………、やあ……っ」 「んー?」    周くんは低く笑いながら舐めたり噛んだりを続け、その間に下着をスルリと脱がされた。脚を閉じる暇も抵抗する隙もまったくない。ホントに憎らしいくらい手慣れてて、くやしい。  周くんの指が突起した下のそこを撫で、今度は胸と同時に引っ掻いた。 「んっ!」 「やめてほしい?」    止める気なんてないくせに、優しく問いかけてくる。  私は周くんから顔を逸らして首を縦に振った。 「や…痛い、から……っ」 「ふうん?」    周くんの長い指が侵入してくる。  何の抵抗もなく、にゅる、と飲み込んでいくのがわかった。  少しの異物感と、待ち遠しかったものがきてくれた快感と、それでも足りない歯がゆさと混ぜ合わさって頭がどうにかなりそうだ。 「ぁ、や………っ」 「嘘つき」    低くかすれた声が耳に響く。 「こんな濡らしてて、やめてほしいの?」 「あ、あっ……」 「ホント、会社とは別人だよねえ。カーワイイ」    クスクス笑う周くんの方がよっぽどの別人……って言いたいのに、私の声はもう言葉を繋げることが出来ない。  そして私は今夜も、年下の恋人に翻弄されていく。
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