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第11話

・・・・・  見られてる。  絶対に、見られてる。  私は今、会議に必要だから作成した資料を50部ずつコピーにかけている。  いつもなら部署内にあるコピー機を使うんだけど、ちょうど使いたい人間が重なってちょっとした順番待ち状態になってて。  だから、今はどこの部署も使用していない事を確認して1階下の小会議室Aでコピーを取っていた。  出てきた順から長机に並べていき、完成したものからホチキスをかけていくという単純かつ何気に好きな作業中だったんだけど―― 「どうしたんですか?」  なぜか一緒に周くんがいた。  私がホチキスで綴じた資料を整えて、重ねていってくれている。 「どうした、っていうか……えっと」 「効率がいいでしょう?突っ立ってたって何の意味もない」 「それは……そうだけど」  周くんもコピーがしたいからと少し遅れてやってきて、手伝ってくれてるという状態。  もちろん助かるし、周くんの言うとおり効率はいい。もうすぐ終わるし。  でも、えーっと。 「……他にも開いてるとこはあるはずだし、それにほら……ドア……」  開けておいたはずのドアを、周くんはここに来たとき後ろ手に閉めた。  社内でふたりきりになるのは正直まだ緊張するし、っていうかなんで閉めたの。会議中でもないかぎり開けっ放しにしておかないと使用中だと思われるからって、社内にお達しも出てるのに。  しかも、コピーかけてる間もホチキスで綴じてる時も、じーっと見てくる。    絶対勘違いじゃない。  じーーーーって、見てきてる。  こわいくらい見てくる。    周くんは『四ノ宮くん』の笑顔を浮かべたまま、最後の冊子をトンと資料の角を整えて机に置いた。  そしてゆっくりと近づいてくる。 「ドアがなんです?」 「……開けておいた、はずなんだけど」 「知ってますよ。僕があとから来たんですから」 「うん、だからなんで閉めたの」 「使用中だからいいじゃないですか」 「いや使用ってのは会議中って意味でね」 「知ってますよ。でも使用中です」 「何言ってるの周く」 「四ノ宮ですよ、大朏先輩」  髪に手を伸ばされ、思わず肩が跳ねた。  クス、と笑われたのがわかる。 「何怖がってるんですか」 「怖がってない」 「あ、そっか。(うず)いてるんですね」 「なっ……!」  次の瞬間、唇をふさがれていた。  抗議のために開いたそこから舌が侵入し、咥内を犯していく。 「んぅ…っ、あ……ふっ……」 「……ん……」  私の息と、周くんの微かに漏れる吐息が会議室に響くのがわかる。  こんなところでという思いが快感を高めていくみたいで、身体があっという間に熱くなった。耳なんて燃えてるみたいに熱くて、熱くて―― 「ふふ。すっごいですね。ココ。真っ赤」 「っあ」  髪を撫でていた周くんの手が耳たぶに触れる。  それだけで気持ちいいなんて、どうかしてる。 「……もしかして、興奮してます?今の状況に」 「あっ……ん、……っ!」 「社内恋愛ばれたくないなんて言いながら、こんなところでこんなことされてすっごい感じるんですね?先輩」 「……!んんっ……」  周くんの左手は私の腰からお尻へ、そしてスカートをたくしあげられ下着の中にするりと入ってくる。  そこで、ぴたっと手が止まった。
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