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第20話

「……あ、起きた」  うっすら目を開けると、耳元で周くんの優しい声がした。  後ろから抱きしめられているのはわかった。  顔を上げる。真っ暗だ。少しだけ開いたブラインドから外の光が差し込んでいる。ふわふわやわらかくていい気持ち。  えっと、ここは…… 「ベッドだよ」  ふりむくと、周くんの顔がすぐ近くにあった。  まだ暗闇に目が慣れていないからよく見えない。でも外からの光と、距離の近さでふんわりと笑っているのはなんとなくわかる。 「……ぁ……」 「声枯れてるね。なんか飲む?」  黙ってうなずくと、抱きしめてくれていた腕が解けた。  ゆっくりと身体を起こしかけて、かけられたふとんが落ちる。  落ち……ん? 「……っ!??」  何も着てない。  振り返って見たら、周くんも裸だ。  あのあたたかさは素肌が触れ合うあったかさだったってことで。 「服ならオレが脱がせたよ」 「……え!」 「はは、声出た」 「なん……えっ」 「邪魔だったのもあるけど、琴乃さんの服ドロッドロになっちゃって。ゴメン」 「どろっ……あ!」  いつもと違った、周くんの感覚。  あれは勘違いじゃなくて、やっぱりアレってこと…… 「琴乃さんも気付いてたでしょ?」  ギシ、と音がして周くんも身体を起こした。するりと長い腕が伸びてきて、私を抱きすくめる。そのままベッドに仰向けで倒されると思ったら、背中に周くんがいるまま横向きに体勢を変えられた。  そして耳元で、ちょっとイタズラっぽく笑う。 「ナマで()れてたこと」 「……っ!」 「やっぱりね。いつもより感じてたみたいだし」 「……な、……」 「オレもすっごい良かった。……ただ最後、琴乃さんのスーツにぶっかけちゃってね。ほんとゴメン」 「ぶっ!?」 「新しいの買うね?」 「ぁ……うん……」  そんな和やかに言われてどう答えていいかわからない。  固まっていると、きゅっと左胸の先をつままれる。 「んっ!」 「……あれ?」 「ちょっ……周く」 「まだ立ってるね、ココ。……じゃあコッチは?」  下に伸びてきた右手の中指を何の躊躇もなく受け入れたソコは、ぐちゅ、という音を響かせた。 「は、すっご……」  周くんは息を吐くとそのまま指の出し()れをくり返し、左胸も先を弄るだけではなく揉みしだいていく。  全部後ろからされていて、目が慣れてきたとはいえ薄暗い部屋の中。私が感じている証拠になる水音と、私の息と、耳元の周くんの声しか聞こえない。 「待っ………!あ…ん!」 「ねー琴乃さん?」 「ん……っ?ん、何……」 「オレが社長の息子ってこと、いつかはちゃんと話すつもりだったんですよ?」 「はっ、んぅ……!」 「こんな早くバレたのは完全に計算外」 「ぁうっ!あ、ん、あっ」 「でもこれで色々隠さなくてよくなったと、前向きに考える事にします」 「んぅ……、隠すって、何……っ」 「んー?なんて言えばいいんだろうな」 「あっ!んっ……?」  指を引き抜いた周くんをふり返る暇もなく、太ももの間に熱いモノが挟みこまれた。  これって――― 「ね……もう少し太もも閉じて」 「あっ……!?」 「………ホント、すっごい濡れてる……」 「あっ、あっ……?」  周くんが腰を動かす度にぬるぬると太ももの間を往復するソレが、私のいいところに当たって気持ちがいい。気持ちがいいけど、初めての感覚に当惑しかない。 「……何?もしかして初めて?素股」 「んぅ……っ!あっ……」 「嬉しいなあ、琴乃さんの初めてもらうの……っ」  ぐちゅぐちゅと淫靡な水音が部屋に響いて恥ずかしさで頭がおかしくなりそうだ。  でもそれ以上に、こんなに気持ちがいいのに(なか)に周くんがいないことの方が気が狂いそうになる。
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