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第19話

「はー……すっげ……どしたの、こんな濡らしちゃって」 「んぅっ……っ、あ、あ」  そのままググ、とさらに奥で揺らされて、あまりの圧迫感にうめくような声しか出てこない。   どうしたのなんて言うけど、こっちが聞きたい。  こんな周くんは初めてだ。  いつだって余裕そうなのに、こんなに強引な抱き方は初めてだ。意地悪はしてくるけど私の身体をいつだって丁寧に扱ってくれてた。 「……っああ!」 「………まだだよ」 「あ、まねく……待っ……くるし……」 「ダメ。もっと奥に入らせて」 「んぁ……む、むり……っ!」 「無理じゃないよ。……ほら。こうすれば」 「!!」  なんでどうしてと疑問が浮かぶものの快感におしやられ、さらに右脚を抱えられて周くんの肩にかけられた。そしてもっと奥にと腰を押しつけてくるから息がしにくい。  でも待って、いつもと違うのは周くんの様子だけじゃなくて、周くんの感覚――― 「……っあ!?」  (なか)にいる周くん自身の熱さがいつもと――― 「っん……?」  私が戸惑いで目を開くのと周くんの口から甘い声が漏れたのは、ほぼ同時だった。  見下ろしてくる目と目が合う。周くんは、にっこりと美しく笑った。  荒げた息を感じさせない可愛くて綺麗な顔。でもワイシャツのボタンは3つ開いていて、首筋から胸元へ汗が流れていくのが見える。いつもきちんとしている髪が少し乱れて、先から汗が滴りおちていて私のシャツが濡れていく。  すべてがどうしようもなく官能的で、見惚れてしまった。 「今(なか)がぴくってしたんだけど……なんですか?センパイ」 「……っ」 「あ、まただ。ホント、えっちしてる時の先輩呼びと敬語、ダメなんですね」 「んぁ……ん、待っ……周く……」 「だから待たないって。ほら、気持ちいいでしょ?」  言いながら周くんは、抱えた右足の指先を見せつけるように舐める。 「んっ!……は、ホラ、気持ちいいって返事してるよ?先輩のナカはさ」 「……待っ、周く……んぁっ」 「待たないし、聞かないよ」 「んあぁっ!」  それまで私を見下ろすようにしていた周くんが覆いかぶさり、また一気に奥まで挿入(はい)ってきた。  耳元で周くんの荒い息遣いが響く。 「んぁ!あっ、あ、あぁ!周く……!」 「ハッ、ハァ、……っんとに、あなたは無防備だから……!」 「……っ!?んぁあ!な、なんて、あっ、あ!」 「こんな、とこに、簡単に、……クソっ」  耳たぶを甘噛みされ耳のうしろを舐められながら顔を横にされる。そして首のうしろ……そう、会議室で上書きと言っていた場所あたりまでつつ、と舐められたと思ったらギリッと噛まれた。 「ぅあっ!?あっ、痛い、あま、ねく……っ!」 「……大丈夫、血は、出てない、よっ!」 「あぁっ!」 「コッチ、気持ちよくすれば、問題ないしね?」  シャツのボタンを外され下着をずらされ、胸の先をぎゅうとつままれる。  首の後ろの痛みとソコの快感が混ぜ合わさって、周くんの動きもさらに早くなって目の前がチカチカしてきた。 「ふ、気持ちよさそ……」 「あぁ、んっ、気持ち、い……っ!」 「腹立つくらい可愛くて、マジで、ムカつく……っ」 「んぁ、あっ、は……っ、あまねく、待っ、もう、イッ……」 「イきそ?」 「あ、あぁ、あ……!」 「はは、涙でちゃってる、ン……ッ、オレも、も、キツ……ッ」 「あまねく、一緒に……一緒がいいっ、んあ!」 「……っ!だから、かわいーこと、言うなバカ……ッ」  ぼやけた視界の周くんの眉が切なそうに歪む。  唇を噛んで、なにかに必死に耐えている。  その顔。その顔が、私はいちばん好き。私しか知らないって思いたいくらい好き。  手を伸ばして頬に触れようとしたけど、逆に掴まれてソファに張りつけられた。動きがさらに早まる。激しくて気持ちが良くて、もう目を開けていられない。 「琴乃……っ」  遠くなっていく意識の中で、周くんの声だけが聴こえた。
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