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〈第一章・23〉

「あああっ、入って――」  淫蜜がとめどなく溢れて、繋がった場所から滴り落ちる。  甘い肉筒が僕にキュウキュウとまとわりついて、奥から入り口に向けて締めつけられる。 「ダメ、胡蝶蘭。こんなの、反則――」  抽送を始めると、彼女はいっそう甘く喘いだ。 「あっ、ああっ、ひ、うあっ」  ぶちゅ、ぶちゅ、と汁気の多い音が喘ぎと混じり、薔薇の甘い香りが漂う。 「ああ、あっ、ひ、ちあ、ちあき、そんな、早く――」 「ごめん、胡蝶蘭、ごめん、加減できない」  ギュウと蜜筒が狭まり、屹立の先に熱く脈動する熱い壁のようなものを感じた。  ドクドクと自分の先端に当たる熱の塊を突くと、胡蝶蘭が悲鳴のような嬌声をあげ、全身が痙攣する。 「ああああっ! もう、千秋、もう……っ!」 「僕も――あ、っく……ああ、胡蝶蘭――!」  僕たちは同時に絶頂を迎えた。  胡蝶蘭はピンと両脚を伸ばしたまま、長く長く悦喜の絶叫を続けていた。 「ち……あ、き……」  彼女の上からどこうとすると、蕩けきった声に呼び止められる。 「うん? んー、ん」  胡蝶蘭は濡れた唇を押しつけ、僕の口唇を舌で開かせる。  夢中で彼女の舌を吸うと、口中に硬いものを感じた。 (何だ、これ? 苦い……あれ?)    みるみるうちに身体が重くなっていく。    なんだこれ。    一服盛られた――?  そんな。くそ、ずっと抱いていたいのに。まだちっとも足りやしない。  無茶なんてしないのに。確かに〈はじめて〉は余裕がなかったけれど、彼女が望むならいくらでも優しくするし、もう疲れていやだというなら、抱きしめさせて欲しいのに――。  馬鹿な僕は、遠のいていく意識の中、痛感した。  ああ、もう。  やっぱり……ひどい、女――
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