4 / 4

キスの日(番外編)

「キスの日、かぁ」 「”キス”とはなんだ?」 「きゃっ!? げ、げげげげ玄武さまっ!?」  目覚めてぼーっとしている時何気なく呟いたら、目の前にとんでもない美貌のドアップが現れるとか、私の心臓を潰す気なのかと小一時間問い詰めたいと香子は思う。   「答えよ」  でもそう言う目が笑っているから、結局勝てないな、と思って唇を寄せた。  *  * 「キスの日、ねぇ……」 「おねだりか?」 「んっ!? んんんんんーーっっ!?」  声と共に唇を塞がれて香子は驚愕した。”キス”という言葉の意味は本来わからないはずだが四神はいわゆるチートなのでわかってしまうのだった。  そのまま寝室に運ぼうとする朱雀の腕をばしばし叩く。   「はぁ……」 「なにを嫌がる?」 「(ベッド)から出られなくなるのは嫌です」  至近距離で燃えるような美貌と相対するのは精神をごりごり削られるがここで引き下がるわけにはいかない。  しばらく睨みつけると、朱雀がしかたないというように笑んだ。  そして。   「夜は覚悟しておくのだな」 「……うっ」  *  *     「キスの日……うーん」 「香子(シャンズ)」 「んっ……」  自然と近づいてきた唇が重ねられた。そうすることが当り前のように。  そしてそれを受け入れている己もどうかと香子は思う。  ちゅっちゅっと啄ばむようなそれはすぐに深くなる。さすがに漢服の中に潜り込んでこようとする手はつねって阻止した。   「香子」 「”キス”だけです」 「今宵は」 「明日したいことがあるのでダメです」  しょぼんと音が聞こえるぐらい沈んだ青龍に、しょうがないなぁと香子は自ら唇を寄せた。      *  *     「キスの日って……っっ!?」  さわり心地のいい毛に埋もれてもふもふしながら何気なく呟いたらペロリと唇を舐められ、そのまま抱き込まれた。  獣姦は勘弁してほしいと香子は思う。   「……人型に戻ってください」 「いいではないか」 「……よくないです」  人型の時よりも低い声はなかなかに迫力がある。ひるむことはないが背筋がぞくぞくするのでやめてほしい。   「白虎さま」  前足をとんとん叩くと嘆息された。   「香子にはかなわぬな。目を閉じよ」  言われた通りにして、次の瞬間には人型に戻った白虎を少し残念だと思う。しかし今度こそ唇を奪われ、香子は何も考えられなくなった。     玄武・朱雀・青龍・白虎それぞれバージョンおしまい。
スキ!
スキ!
スキ!
スキ!
いいね
ドキドキ
胸キュン
エロい
切ない
かわいい

ともだちとシェアしよう!

この小説を読んだ人におすすめの作品

どんな薬も、恋の病を和らげてくれることはない
2
1
2
完結済/20話/54,522文字/32
2017年9月7日
王子同士の争いに巻き込まれた一人の女性と彼女を支える従者のすったもんだ話
連載中/7話/16,630文字/0
2017年9月11日
美貌のエスコート、強さ鬼神級、されど変態度は魔神級!!!
完結済/10話/32,596文字/0
2017年9月20日
海で漁をしていたら、身なりのいい男が崖に立っていた。死にたがっているように見えて、私は――
完結済/84話/78,321文字/13
2017年12月23日
「あなたのしたことは、れっきとした触法行為です!」……白雪姫は、ツワモノだった。
1
3
完結済/1話/9,991文字/99
2017年11月5日
異世界トリップ先の職場で恋をしました。
20
8
7
3
7
完結済/7話/9,819文字/403
2018年3月20日