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つくりものの鳥

 ある日、後宮の(きさき)の一人に献上品が届けられました。  それは、妃が依頼して、隣国の技術者が作った、つくりものの鳥でした。  ゼンマイ仕掛けの鳥は、ナイチンゲールにそっくりでしたが、ダイヤモンドに、ルビーにサファイヤといった宝石で飾られ、きらきら光ます。そして、生きているナイチンゲールそっくりに歌を歌うのです。  妃は、つくりものの鳥と並んで見劣りしないよう美しく装い、つくりものの鳥を、皇帝陛下に見せました。  皇帝陛下は、ナイチンゲールそっくりの歌声に驚きました。あまりに上手に歌うので、ナイチンゲールとつくりものの鳥を一緒に歌わせたらば、もっとすばらしくなるに違いないと、ナイチンゲールとつくりものの鳥を一緒に歌わせてみました。  しかし、きちんとしたリズムで歌うつくりものの鳥に対して、ナイチンゲールは気ままに好きな歌を歌う為、かえって音がごちゃごちゃして、ひどい有様でした。  皇帝陛下は、ナイチンゲールに、何故思う通りに歌えないかとしかりつけましたが、ナイチンゲールは黙ってしまって答えません。皇帝陛下は、ナイチンゲールをこらしめてやろうと思いました。  後宮へ、つくりものの鳥を持つ妃のもとへ、皇帝陛下はナイチンゲールの鳥籠を持って行きました。  妃と、つくりものの鳥の前で、皇帝陛下はナイチンゲールを鳥籠から出しました。  しかし、ナイチンゲールは鳥の姿のままでした。  人の姿のナイチンゲールに用のあった皇帝陛下は少し残念でしたが、そのまま妃に命じてつくりものの鳥を歌わせました。  つくりものの鳥に歌わせながら、皇帝陛下は妃を寝台に押し倒し、ナイチンゲールに見せつけるように抱き合いました。  妃を脱がせ、愛撫に悶える様を、皇帝陛下に貫かれ、悦びの声をあげるのを、繋がっている部分を見せつけるようにして、乱暴に抱かれている妃の姿を、鳥の姿のまま、ナイチンゲールは冷ややかに見ていました。  そして、自分を縛るものが無いことに気づいたナイチンゲールは、今が好機とばかりに、後宮の窓から逃げ出してしまいました。  妃の体を貪りつくし、我に変えると、皇帝陛下は、ナイチンゲールが飛び去っている事に気づきました。からっぽの鳥籠だけがその場に残されていました。  皇帝陛下は、もう一度妃を組み敷いて、何度も何度も貪りつくしました。  つくりものの鳥は、ナイチンゲールそっくりの歌を何度も何度も歌い続けました。
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